目次
はじめに
「ひ」 という文字は、平安時代に漢字「比」を簡略化して生まれた文字で、2つの人から成り、親密さや温もりを表す意味を持っています。
『ひ』の歴史
ひらがなの「ひ」は、奈良時代に使われていた万葉仮名から発展しました。万葉仮名は、漢字の音や訓を借りて日本語を表記する方法でした。
平安時代になると、漢字の形を崩して書くようになり、これが現代のひらがなの元となりました。「ひ」の場合、漢字「比」の草書体から生まれたとされています。
「ひ」の字形の変遷を見ると、以下のような過程を経ています。
1．万葉仮名での表記：「比」「肥」などの漢字を使用
2．草書体での表記：「比」の字を崩して書く
3．平仮名としての確立：現在の「ひ」の形に近づく
平安時代の女流文学作品などで多用されるようになり、徐々に一般的な表記として定着していきました。
なお、歴史的仮名遣いでは、文節のはじめ以外の「ひ」は「い」と発音されていました。これは、日本語の音韻変化の一例を示しています。
現代では、「ひ」は五十音図の第6行第2段（は行い段）に位置し、清音の他に濁音（び）と半濁音（ぴ）を持っています。また、や行の文字を後続させて開拗音（ひゃ、ひゅ、ひょ）を構成することができます。
このように、「ひ」の文字は日本語の発展とともに変化し、現在の形に至ったのです。
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