目次
はじめに
「れ」 という文字は、平安時代に漢字「礼」を簡略化して生まれた文字です。その成り立ちを知ることで、美しく書くためのコツをつかむことができるかもしれません。
『れ』の歴史
ひらがなの「れ」は、漢字の「礼」から派生した文字です。その変遷過程は以下のようになります。
1．元となる漢字「礼」は、もともと「ネ」の形をした器に「豆」を乗せた形で、祭祀の際に使う器を表していました。
2．平安時代初期、「礼」の草書体が簡略化され始めました。上部の「豆」の部分が丸みを帯び、下部の「示」の部分が崩れていきました。
3．9世紀頃から、貴族の男性たちによって私的な文書でかな文字が使われ始めました。この時期、「礼」の草書体がさらに簡略化され、現在のひらがな「れ」に近い形になっていきました。
4．11世紀頃には、「れ」の字形がほぼ確立しました。上部が丸く、下部が左に伸びる曲線的な形になりました。
5．その後、時代とともに少しずつ変化を続け、現在の「れ」の形に至りました。
「れ」の成り立ちは、漢字の簡略化という日本語特有の文字発展過程を示しています。この過程は、日本文化の発展において革命的な出来事とされており、日本人が自国の言葉をより自由に表現できるようになる重要な一歩となりました。
「れ」を含むひらがなの使用は、当初は公的な文書ではなく、私的なやりとりに限られていました。しかし、時代とともにその使用範囲は拡大し、現在では日本語表記の基本的な要素となっています。
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