ちょっと聞いてよ。私、ついさっきまでSTEM教育だと思ってたわ。
えっ? 違うの? 箱にはSTEMって書いてあるよ。
それはちょっと前の言い方で、今はSTEAMなのだ・・・。
AIDMAとAISASみたいね。
ちなみに今回はほとんどテキストです。
STEMとSTEAM
さて早速ですが、スターターセットの裏面にも書いてあるこのSTEMというのは一体何なのでしょうか?
STEMとは?
拡大するとこのように書いてあります。どうやらScience・Technology・Engineering・Mathematicsのそれぞれ頭文字をとってきてSTEM、あるいはSTEM教育と呼んでいるみたいですね。
なお箱がめっちゃ汚いですが、我が家ではGraviTraxのパーツ収納として本体の箱を床置きで使っているので、これは擦り傷ですね・・・。
STEAMとは?
やると思った。
だってゲーマーがSTEAMって聞いたらこれしかないでしょ・・・。
そんなわけでSTEMについては箱にも書いてあったので良いとして、STEAMが画像のこれじゃないのは明らか・・・いや、もちろんこれも立派にSTEAMだしなんならこっちの方が知名度高そうですが、
今回触れたいSTEAMはSTEMのレベルアップ版みたいなもので、STEMにAが加わっています。このAは、
Arts(アーツ)です。
アーツと言えばマーシャルアーツ。来年、餓狼伝説が26年ぶりに新作出すんですよ知ってました?リベラルアーツが有名ですが、artsは芸術でおなじみのartの複数形なので意味合いは多岐にわたります。
多岐にわたるというか、調べてみたところartsの解釈がバラバラのようです。比較的多いのは芸術と教養ですが、文部科学省のSTEAM教育ページを見ても広い範囲でAを定義すると記載されています。
(前略)文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。
文部科学省HP STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進 ページより引用
そもそも誰が考えたの?
アメリカでは1990年代頃からSTEMの概念があったようで、それにAを足したのが2006年。アメリカの研究者・教育者のGeorgette Yakmanという方が提唱したそうです。
同氏の有名なフレームワークがピラミッド型になっているこちらで、STEMで完結していたものにArtsを加えて生涯教育の学習モデルとしている。。。と私は読み取ったのですが、どうなんでしょうね。
というかArtsのところに思い切りリベラルって書いてあるので、色んなサイトの解釈がバラバラというか、ここに書いてあるものを部分的に抜粋してるっぽいですね。
・・・まあそろそろGraviTraxの話をしたいのでSTEAMの概念についてはこの辺にしておきますが、STEAM教育に興味がある方は下記の資料を読んでいただけたらもっと詳しく分かると思います。
・文科省のPDF資料
・富山大学の研究論文「STEAM教育における”A”の概念について」
・鳴門教育大学の研究論文「STEM教育とSTEAM 教育」
がっつり英語いける方は本家をどうぞ。
GraviTraxに関連づけながら1つずつ解説
というわけで、STEAMは5つの単語が組み合わさったものだと分かりました!
じゃあそれがGraviTraxにどう関係してくるのか・・・逆か。GraviTraxで遊ぶことがどうSTEAM教育に活きてくるのかを私見でまとめてみようと思います。
なおここでは認知度が高くみんなが調べやすいことを理由に、たまに正確性に欠ける記載があるのは承知の上で、言葉の意味についてはwikipediaから引用して進めるようにします。
まずは全体像
wikipedia 科学 ページから引用
まず大きな「科学」という入れ物があって、その中に数学や工学、芸術という学問があるんですね。
大半の学問は「〜学」と記載されるのに「〜術」の芸術が学問の位置づけになっていて、技術が学問の括りになっていないところはちょっと不思議に思います。
学問が知的活動の総称なのに対して、技術はやり方や手段だからですかね。まあこの後出てくる技術の項目で明らかになると信じて先に進みます。
ではここからはSTEAMについて1つ1つ解説します。最初はSの「科学」です。
Science:科学
科学(かがく、英: science[1][2][3], natural science[1][2][3]、仏: science, sciences naturelles、独: Wissenschaft, Naturwissenschaft[4]、羅: scientia)とは、一定の目的・方法の下でさまざまな現象を研究する認識活動、およびそこからの体系的知識[5]。
wikipedia 科学 ページから引用
うーん。ちょっと理解するのが難しいですね。
漫画ドクターストーンでは分からないことにルールを探すこと。再現性のあるものが科学。だったと記憶していますが、wikiの定義をだいぶ噛み砕くとこういう意味になるのかな?
漫画に限りませんが、一般的でない言葉や定義を分かりやすく説明してくれるのはとても有り難いですね。
GraviTraxでどう科学を学べるの?
・ゴールを目的として道のりを自由に構築できる(手段を自由に選べる)
・コース構築の経験を通じて重力や磁力について体験できる
・同じ状況で再現性があることを学べる
こんな感じでしょうか。科学が多くの学問の総称ということもあってちょっとフワっとしていますが、4つの力のうち2つの力の体験や再現性を遊びながら身につけられるのが科学的な学びかなと思います。
ちなみに自然界にある4つの力は強い力・電磁気力・弱い力・重力だそうです。重力って強いイメージがありますが、冷蔵庫に貼っつけた磁石が落ちないように、重力より電磁気力の方が強いそうです。
GraviTraxでは重力と磁力、POWERパーツがあれば電力も使えますね。
さて次はTの「技術」です。
Technology:技術
技術(ぎじゅつ、旧字体:技術、英語: technique, technology, engineering[1])は、物事に関する取り扱いや処理の方法・手段[2]、巧みに行う技・技巧・技芸[3]。または科学の研究成果を人間の生活に役立たせる方法[2]、科学を応用して自然を改変・加工して役立てる技[3]。
wikipedia 技術 ページから引用
※旧字体の「術」があることで保存ができなかったためそこだけ新字体の「術」に変えています
やはり技術は学問ではなく方法や手段を指すようですが、「科学の研究成果を人間の生活に役立たせる方法」「科学を応用して自然を改変・加工して役立てる技」という意味もあるんですね。
GraviTraxでどう技術を学べるの?
・ベールプレートとタイルを組み合わせる積み木的な技術
・トラックや追加パーツなどただ置くだけではない繊細な手さばき
・磁力パーツからボールを取るときに力が必要という学びが得られる
全体を指す科学と比べると技術は分かりやすいですね。主に自身の手に関することがGraviTraxで学べる技術だと思います。
続いてはEの「工学」です。
Engineering:工学
工学(こうがく、英: engineering)またはエンジニアリングとは、基礎科学である数学・化学・物理学などを工業生産に応用する学問[1][2][3]。「真理の探究」を目指す基礎科学と「実用」を目指す工学の違いは絶対的ではなく[4]、例えば電子工学や薬品生産などがあると『日本大百科全書』は述べている[4][注釈 1]。これらの分野では、基礎科学・基礎研究の成果が応用科学・研究開発の中へと直接組み込まれている[4]。
wikipedia 工学 ページから引用
工学は数学などの基礎科学を工業生産に応用する学問なんですね。これはGraviTraxで学べるんだろうか? 工業生産といえば加工と大量生産。大量生産のために必要なものと言えば・・・設計図!! これだ。
GraviTraxでどう工学を学べるの?
・コース設計を通じて手持ちのリソースでできる最適解を見つける経験ができる
・繰り返しコース構築を行うことで作業の簡略化や効率化を体験できる
・設計図を作り共有することで1つのコースを複数人で作れる
ちょっとこじつけ感が強い気もしますが、GraviTraxを通じて学べる工学はこのあたりな気がします。なんかもっと良い表現があればコメントください_(:3 」∠)_
そしてこの次がSTEMに加わったAの「芸術」です。
Arts:芸術
芸術(げいじゅつ、旧字体:藝術)またはアート(希: (η) τέχνη, tékhnē、羅: ars、英: art、仏: art、独: Kunst)とは、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動を表す。文芸(言語芸術)、美術(造形芸術)、音楽(音響芸術)、演劇・映画(総合芸術)などが、芸術の諸分野である。
wikipedia 芸術 ページから引用
※旧字体の「術」があることで保存ができなかったためそこだけ新字体の「術」に変えています
芸術は一方的ではなく、表現者(表現物)と鑑賞者の相互作用という表現にグッときました。表現者と鑑賞者が同じ場合も有りそうですが、ここでは触れないでおきます・・・。
精神的や感覚的な変動というのを「相手を感動させる」「心を動かす」と書くと難しそうに見えますが、「おっ」と思わせる。「凄い」と感じさせる。くらいにすれば難度がだいぶ下がるように感じますね。
ちょっと逸れますが、鑑賞者の目に触れやすいという点で芸術とSNSは相性ばっちりだと思いますし、鑑賞者のリアクションをよりシンプルにした「いいね」ボタンはfacebookで一番の発明だと思います。
GraviTraxでどう芸術を学べるの?
・ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(ピタゴラ装置)のようにボールの動きを見て楽しませることができる
・コース構築によってはボールが動いていなくてもコースを見るだけで楽しめる
・マグネットキャノンやスパイラルなど音を聞いて楽しむこともできる
芸術は良いですね。特にボールの動きが楽しい点はまさにピタゴラ装置が良い例で、ただゴールさせるだけなら直線で届ければいいところ、わざわざ色々なアクションを駆使してゴールさせるのはGraviTraxにも通じるものがあると思います。
それにしても、色んな動きをしたボールが転がり進むだけでこんなにも面白く感じるのはなんでですかね? これもまた別の機会に考察してみたいです。
個人的にはRSJ Gravitraxさんの動画は数あるGraviTrax動画の中でも特に芸術性が高いなと思います。日本だとGraviSTAGEさんですね。また別の機会に日本のGraviTraxer特集も企画します。
さて最後のMは「数学」です。
Mathematics:数学
数学(すうがく)とは、数・量・図形などに関する学問であり[1]、理学の一種[2][注 1]。「算術・代数学・幾何学・解析学・微分法・積分法などの総称」とされる[4]。
数学は自然科学の一種にも[3]、自然科学ではない「形式科学」の一種にも分類され得る[5]。
wikipedia 数学 ページから引用
日本では義務教育で誰もが数学に触れるので、STEAMに登場する学問の中では数学が一番イメージしやすいと思います。
wikiには数・量・図形などとありますが、GraviTraxではそれらすべてを使いますし、何なら積み木でも折り紙でも、数学を使わない遊びはないのでは? と思うくらいに身近な学問だと思います。
GraviTraxでどう数学を学べるの?
・タイルやトラックの数を数えて手持ちのパーツを管理する
・作りたいコースに必要そうな量のパーツを予め用意する
・子どもが粗雑に触っても壊れにくいようにタイルを六角形(ハニカム)にしている?
特に最後のタイルの形については、なぜ六角形にしたのかメーカーの方にGraviTrax開発秘話とかを聞いてみたいところですね。ブログ投稿を毎日1年間続けたらBRIOジャパンとかに招待してくれないかな。
以前スマホアプリのNHKキッズ「デザインあ」で、四角形や三角形よりも六角形が強いというのを見た覚えがありますが、YouTubeには無さそうだったので興味がある方はスマホアプリを探すか、こちらのNGKの記事をご覧ください。
ちなみに上のNGKはなんばグランド花月じゃなくて日本ガイシです。
総括
STEAMについて色々と調べていたら、確かにGraviTraxがSTEAM教育に適しているというのも納得だなと思いました。
もちろん色んな解釈があると思いますが、私個人としては特に芸術の部分が他のマーブルランやスロープトイにないGraviTraxならではの特徴だなと感じていますね。
さて今日はSTEAM教育についてまとめてきましたが・・・STEAM教育の話をするにあたり、最後にもう1つだけ触れたいことがあります。
安藤昇先生って誰?
安藤 昇 先生です。
上に貼った画像は店舗などでもらえるGraviTraxの小カタログですが、こんな感じで顔と合わせてプログラミング教育の第一人者として掲載されているのをよく拝見します。
しかし紙で分かるのは(写真だと光ってて文字が読めないところに載ってる)青山学院中等部・高等部の講師ということだけで、「誰?」と思ったのは私だけではないはず。
いや、もしかしたら私が知らないだけでものすごく著名な方かもしれないですね。というかこれを逃したら今後たぶん調べることがないので、この機会に調べてみます!!
安藤昇 先・・・生?
えええ!?
否応なしにカタカナ3文字が目に飛び込んできます。よく見たら故人ですが、すごい経歴の方ですね・・・びっくりした。気を取り直して「青山学院」も加えて検索し直すことにします。
今度こそ安藤 昇先生
今度は本物のようです。
えーとなになに。青山学院での講師に加え、スタディサプリで情報の講師。それからご自身のYouTubeチャンネルではAIに関する情報発信をされているようですね。意外にも青山学院のサイトは出てこないのね。
せっかくなのでスタディサプリでネットワーク講座を1つ見てみたのですが、よく通った声で聞き取りやすく、比較的ゆったりめなテンポで話をされているので倍速再生との相性も良かったです。
しかし肝心のプログラミング教育で検索して出てくる方は「みんなのコード」代表の利根川裕太さんや「scratch日本語版」開発者の阿部和広さんのお二人。うーん。安藤先生は何をされているんだろう。
業種業界問わず、現場で動いている方はなかなかネットに名前が出てこない傾向があるので、そういう意味では肩書ばかりでない現場を知る本物の第一人者なのかもしれないですね。
安藤先生についてもっと詳しく知りたい! という方はこのあたりの記事をご覧ください。
・プログラミング教育に向けての中学・高校でのオンライン授業の実践事例
・「教育DXは古いです!」現役教師YouTuberは、AIで教育改革を目指す
・美術の考え方がプログラミングにとって大切
まとめ・あとがき
いやほんと、GraviTraxは知育玩具としてもとても優秀なおもちゃですね。それでいて大人も楽しめるので、対象年齢の8歳〜99歳も本当だと思います。
強いて言えば藤井聡太棋士の影響でキュボロが売れたときも若干話題に上がりましたが、ボールの扱いには気をつけて欲しいですね。GraviTraxのボールは約12mmと小型です。
そこをちゃんとすれば未就学児でも遊べますし、3〜7歳向けのGraviTraxジュニアもあるので、親御さんが一緒に遊ぶことが前提であればSTEAM教育にとても良いおもちゃだと思います。
今回は本当に文字ばかりの投稿ですが、最後に一言でまとめるなら・・・みんなもっとGraviTraxで遊べば良いと思うよ!!
あとがき
この記事をきっかけに少しでもGraviTraxに興味をもってもらえると嬉しいです。
コラムのカテゴリではGraviTraxに関するあらゆる内容をとり挙げようと思いますので、もしここまで読んでくださった方でGraviTraxの「こんな動画が見たい」「こんな記事が読みたい」「こういう情報が欲しい」といったご要望がありましたら、ぜひコメントお待ちしております。
また、何かGraviTraxについて気になることがあればコラムに関係しないことでも回答いたしますので、そんなときも遠慮なくコメントいただけたらと思います。
今後ともよろしくお願いします!!
コメントお待ちしています!!
いつも最後までご覧いただきありがとうございます。ここまで読んでくださった方は、是非この記事のどんなところが好きだったかこのページの一番下にあるコメント欄にコメントをお願いします!
コメントは何でもかまいません。「この●●が良かった!」といった感想から、「このセットで組めるコースが見たい」「こんな情報が欲しい」といったご要望などもコメントお待ちしております。
それからGraviTraxはドイツのラベンスバーガー社の商品のため、ドイツでは売っていても日本では未発売の商品も多数あります。なので個人的な野望ですがもっと日本にGraviTraxを広めて国内流通する商品を増やしたいと思っています。
「私も日本にもっとGraviTraxを広めたい!」「この記事が良いな思いました!」という方は、ぜひ記事のシェアやブログのコメント・YouTubeのチャンネル登録や高評価ボタン、YouTubeへのコメントをお願いします。
また次回の投稿もぜひ楽しみにお待ちください!
●コース紹介動画はこちら
コメント